実験計画法からTaguchi Methodへの進化について

実験改革法(Design of Enperiments)とは英国の統計学者ロナルド・フィッシャー(Sir Ronald Aylmer Fisher)が考案した実験のやり方です。
それを田口玄一氏が発展させた技術がタグチメソッド(Taguchi Method)です。

どちらも実験計画法という言い方をされますのでここでは
Fisher型とTaguchi型と分けて呼称します。

異なるアプローチ

まずそれぞれのアプローチについて説明します。
Fisher型ですが、実験計画法を「原因の寄与率の定量化」に用いていました。
私は因果関係の解明のための手法と解釈しています。
対してTaguchi型ですが、「設計の最適化」に用いていました。
この時点でアプローチが異なっていることがわかります。

このことからもどちらが「有効な手段か」というものではなく、
「目的に対してどちらの方が適しているか」といったものになります。

Taguchi型の工学に向けた施策

それではTaguchi型の施策についていくつか紹介します。

まず因子を分けました。
Fisher型では標示因子という1つの因子でしたが、それを技術者が設定可能かによって
制御因子と誤差因子とに分けました。

次にSN比の考え方です。
各制御因子を対応するノイズに対して局所最適で設定したところで
交互作用により出力が安定するとは限りません。
そこで全体の出力への影響という尺度として採用されたSN比によって
各制御因子で全体最適を目指すことが可能となりました。

 ※参考書籍では理論の数学的証明にはまだ至っていないそうです。
  しかし事例の積み重ねという形で実証されています。
  また、米国ではPerMIAや別の式によるSN比が提案されているそうです。

利用する開発フェーズの変化
パラメータ設計によるノイズ影響の減衰は最初の設計段階にて適用可能です。
さらにこれを技術開発に持ち込むことを可能にし、製品開発期間の短縮にも寄与するようになりました。

他にもまだまだありますが、私の理解が追い付いていないため、
今後追記や修正があるかもしれません。

おわりに

色々とありましてデータサイエンスについて学ぼうとなり
手元にある書籍に目を通していく中で気になった内容をまとめたものであるため
間違いもあるかと思います。

もしお気づきの点ございましたらコメントやSNSへのDMやリプライでお教えいただけますと幸いです。

参考書籍

タグチメソッドのわかりやすいテキストはないかと何度も質問を受けた.
もちろん,タグチメソッドの提唱者である田口玄一博士を始め,何名かの方がテキストを執筆されている.
しかし,これまでのテキストのほとんどがタグチメソッドの研究者,インストラクター,実践者向きに書かれており,
一般の技術者にとっては,今度は,実験計画法などの説明が理解できないのである.
いずれにしても,初心者はタグチメソッドの入り口で苦戦しているというのが実態である.
タグチメソッドの出版物に関して,いろいろな書き方で書いたものがもっとあってよいと感じていた.

入門タグチメソッド まえがき

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